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2013年1月24日(木)
労働局の就職支援セミナー


昨年の秋、富山労働局の「就職支援セミナー」の講師として、富山県内の各地へお邪魔しました(私は主に富山県の西部を担当しました)。


午前と午後、それぞれ県内の別の場所で4種類の就職支援セミナーのうちのどれかを担当するのです。4種類とは、雇用情勢と就職活動の進め方全般を説明する「基本コース」、自己分析と履歴書作成をアドバイスする「Aコース」、職務経歴書作成をアドバイスする「Bコース」、面接練習を行なう「Cコース」です。

参加者は少ない時で10数名から、多い時で80数名ほどで、年齢は様々でした。ハローワークを利用しながら中途採用の求人の中から再就職を目指している皆さんです。

冬場は富山県内の積雪や道路凍結が心配なので秋だけにさせていただいたのですが、参加していらっしゃった皆さんが真剣に受講する姿を思い出しながら、その後就職が決まっていて欲しいと願っています。

セミナーの中で様々な質問をいただいてそれにお答えしたのですが、中でも何度か別々の会場で質問されたものを紹介します。


(1)履歴書に貼る写真は無表情なものだと思っていたが、違うのか?

有効求人倍率が1.0倍を下回る中で、求人が出ると多くの皆さんが応募します。採用する側は、応募者の「やる気」「経験」「人柄」などを見て判断するわけですが、その判断が10分から15分の短時間の面接で行なわれることが多いのです。

ところが、面接担当者が採用の最終決裁者とは限りません。短時間の面接で「この人を採用したい」と判断すると、人事部長や社長、あるいは本社に了解を取らなければいけません。ちなみに面接は録画や録音で記録されることはほとんどありません。

つまり、最終決裁の権限をもつ人事部長や社長、本社などは、応募書類を見て判断するしかありません。「経験」は練り上げた応募書類であれば判断できます。では、「やる気」「人柄」はどこで判断するかと言えば、貼り付けられた写真が判断に大きな影響を与えます。


その写真は輝く表情でなければ目立ちません。ハツラツとして協調性を感じさせる表情で、見る人に好感を与える写真を使いましょう。もちろん、TPOをわきまえて、服装や髪型にも気をつけましょう。


(2)ホームページが無い企業への志望理由(志望動機)が書きにくいのだが?

ハローワークで募集される求人は地方においては中小企業からの求人が圧倒的に多いのです。中小企業は日本の企業の中で99%を占めているわけですから。ホームページを持たない企業もまだまだ多いのです。

ところで、「ホームページが無いと志望理由が書けない」という場合、「志望理由は応募する企業のことを“ヨイショ”して書くもの」などと思っていませんか?

つまり、
「貴社は地元に大きく貢献する企業です。製品はどれも先進的で他に無い精密さがあります。また、ホームページにあった“環境に優しい”“人に優しい”“地域に貢献する”という言葉に対して私は共感を覚えました。そんな貴社の一員として頑張りたいと思い応募させていただきました」などと書いていませんか?

履歴書にある志望理由の欄や、面接で答える志望理由は、あなたの「経験」「やる気」「人柄」を伝える大事なものです。

履歴書の志望理由の欄以外は、学歴・職歴・資格欄などですが、少なくとも「やる気」「人柄」は志望理由の欄以外に表現できる欄はありません。

「経験」については、前職と応募する職種が同じなら職歴欄で表現できますが、職種を変えて転職したいという人の場合、志望理由の欄で“前職で学んだ何を応募先で活かしたいのか”を書いたほうがよいのです。応募者多数で事前に書類審査が行なわれる場合もあるのですから。


志望理由を「貴社は」として一般的なことを延々語っても「やる気」「人柄、あるいは「経験」」が伝わりにくいということです。「私は」を主語にして、あなた自身のことを大いに語りましょう。大勢の応募者の中から選考する採用側が知りたいのはそれです。

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高岡市の二上山とセミナー会場になった高岡総合プールの建物
2013年1月25日(金)
買い物弱者支援の取組み1年目を振り返って


昨年2月からスタートした地元・能美市での買い物弱者支援の取組みですが、多くのことに気づかされた1年でした。

これは、能美市商工会女性部が、普段の買い物に不自由している市内の人々を支援をしたいという思いから「まちづくり研究会」を立ち上げ、当初から私がアドバイザーとして関わらせていただいているものです。

この1年を振り返ってみます。


(1)研究会のスタート

社会福祉協議会のイベントの1つ(春まちぽかぽかプロジェクト)として、最初の研究会の会合をスタートさせました。社会福祉協議会とはそれ以来ずっと連携を続けています。

市内の地図を広げ、生鮮食品(精肉・鮮魚・野菜)が買える店を拾い出しました。そして、地図上における半径800メートルの円でその店を囲んでいきました。

すると、市内の随所に空白の地域が見つかったのです。とりわけ中山間地の地域でそうした空白が目立ちました。

買い物弱者支援のやり方は様々ですが、大まかに分けると、「空白地域への新規出店」「送迎などの移動手段の新設」「移動販売や注文を受けた商品の配達」の3通りがあります。

ワークショップ形式で話し合いながら合意形成したところ、“無理なく始められるやり方”として、「移動販売」を始めようということになりました。


(2)現地調査で対象地区を絞り込み

地図で確認した生鮮食品が買える店が地域に無い中山間部の地域へ聞き取り調査に入りました。

実際に足を運んでみると、市外の商店街が買い物バスを走らせている地区があったり、車を利用すれば10分足らずでショッピングセンターに行けるという地区があったりすることが分かりました。

そうした中、「鍋谷」という地区では業者が移動販売に来ることがあるものの、高齢者のみの家庭が買い物をしようとすると“魚何キロ”とか“醤油何本”という単位でしか買えず困っている、業者もあまり来なくなってしまった、という話を聞くことができました。

また、中山間部ではどの地区でも昼間地区にいる年配者が「話し相手」をとても求めていることも分かりました(込み入ったプライベートな話まで延々話し出す人も珍しくなく、予定していた時間が足りなくなりそうなほどでした)。


(3)地元との事前の話し合い(意見交換会)

こうして鍋谷への訪問販売を行なうことを決めました。そこで、まず地元で影響力のある人たちに趣旨を説明することにしました。

町内会長や民生委員や老人会の代表などに集まっていただき、趣旨を説明しました。当初は「業者に買わされる」という警戒心もあったと思われますが、研究会メンバーが「これはまちづくりで利益を追求するのは目的ではない」「買い物を通して話し相手になりたい」と説明したところ、地区で買い物に困っている人々の詳しい現状を話していただけました。

また、「家の外へ出て話の輪の中に入ってもらう」という趣旨から戸口ではなく、鍋谷地区の8箇所で車を停めてスピーカーで呼びかけることにしました。

買い物で荷物が重い時は戸口まで運んだり車で家まで送ったりしようということになりましたが、研究会で出る意見ではやはり戸口まで配達するのがよいのでないかという意見もあって、実際に実施してから判断することになりました。



(4)NPO法人オアシスから経験談を聴く

金沢市では、市からの助成金・補助金を得て、幾つかの団体が買い物弱者支援の活動に取り組んでいます。ただ、1年で活動を止めてしまうケースもあります。

なぜ活動を続けられないのか。どんな難しさがあるのか。・・・それを知りたいと、活動2年目の「NPO法人オアシス」のメンバーに来ていただきました。

高齢化と人口減少、小規模店舗の閉鎖という流れの中、買い物弱者は今後どんどん増えていくと思われます(経済産業省の推計で全国に600万人)。ところが、今日そうした問題が目立つのは人口が少ない過疎地です。そもそもそうした地域では商品が膨大に売れるわけではありません。

つまり現時点では、全国各地で見られまる様々な取り組みにおいて、「儲かる」というレベルではなく、「赤字を出さない」ことがせいぜいです。

しかしながら、金沢市内では、市からの補助金を貰っていても赤字になるという団体があるのです。そうした団体では、少数の担い手が大きなボランティア精神を持ちながら孤軍奮闘しているようです。当初の知名度の低さが解消されなければ売上も上がりません。

そうした中、NPO法人オアシスでも様々な試行錯誤を行ないながら、現在は「配置薬方式」で家庭に常備してもらい、使った分だけ代金を受け取るという方式を生み出しました。

買い物弱者支援は今後、担い手の枠組みを広げ様々な団体や機関と連携を強化しながら、「まちづくり」として発展させていくことがポイントのようです。


(5)2度のモデル販売

昨年10月、鍋谷で2回目の意見交換会を行ないました。鍋谷でどんな品物の買い物が不便なのか、どのように住民の皆さんに移動販売を知っていただくかという最終的な打合せのためです。こちらが準備したチラシを町内会長に届け、それを事前に配布したり、町内放送を掛けたりしてくださることになりました。

そして11月7日、第1回目の販売を行ないました。この日を含めて3日だけリースした移動販売車に、2軒の店から調達した生鮮食品や惣菜、パン、雑貨などを積んで、AKB48の音楽をスピーカーから流しながら訪れました。

秋が深まり時おり雨が降る中、販売車のところまで来てくれた方たちに、品物を買ってもらうだけでなく、熱いお茶と飴をサービスしながら、買い物についての思いや意見を聴きました。

この日は来年度以降の本格実施に向けた“モデル販売”でしたが、出会った地元の方からは「助かった。次はいつ来てもらえるのか?」「月に2回くらいでいいから来て欲しい」などの声があがりました。


そこで急遽、12月2日に2回目の販売を行なうことを当日決めました。そして、2回目は鍋谷地区と合わせて別の地区も回ってみることにしました。住宅団地である緑が丘地区は、町なかにありながら、買い物をした重い荷物を持って坂を上がるのがつらい高齢者が多いと聞きました。そうした緑が丘の高齢者が集まる「いきいきサロン」という集まりが開かれるという日に合わせて実施することにしたのです。

2回目の鍋谷では1か所あたりの停車時間が1回目よりも長くなりました。次々に家から出て買い物と話をしに地元の人が来てくれるのです。坂道を車椅子で来てくれた人も2人いました。研究会のメンバーは買っていただいた品物やサービスのお茶を持って、ご自宅まで送り届けました。

また、緑が丘では会合に合わせたこともあって、次々と品物が飛ぶように売れました。

買い物弱者と呼ばれる人たちの思いや必要とされる品物を知り、顔見知りになれたこと
地元に理解者・協力者を得たことは大きな収穫でした。また、そうした人と人とのつながりが、販売や運営を担う研究会メンバーにも大きなやりがいをもたらしてくれることも分かりました。

なお、2回とも、地元の代表的な新聞2社と地元テレビ局に声をかけたところ取材に来てくれ、報道してくれました。
この点も、活動の広がりや知名度と信頼のアップのためには大事なことです。

今後はこの1年の活動成果(ノウハウや見つかった課題)をまとめるとともに、2年目の本格キックオフへと進んでいく予定です。
















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2013年3月3日(日)
就活の成功を祈ります


学生にとって、就活まっさかりの時期を迎えています。

早期に内々定を得て気持ちの余裕を持ち、卒業までに再度勉学やサークル活動などに打ち込めるようお祈りします。

さて、私は昨年末、ある大学で卒業を間近に控えながら就職先が決まっていない学生に対して2回ずつ、個別に面接指導を行ないました。

学生達は真剣でした。数十社に応募して数社の面接を受けながらも内定を得られず、しかし何としても卒業までに就職先を決めたいという学生達です。どの学生も、自分の時間が始まる前にスーツに着替えて指導を受ける部屋の前に置かれたテーブルで待っていました。

面接練習を始めてみると、身のこなし(面接マナー)や話し方もしっかりした学生が多いのです。学生時代にボランティア活動を頑張った学生や、資格取得を頑張った学生、体力に自信がある学生など、立派な若者達が多かったのです。

それなのになぜ企業の内定が得られないのかと言えば、学生達には大きく分けて2つの傾向が見られました。

まず最初の傾向は、自己PRが中途半端に終わっている学生です。

やる気とか熱意とか言われる前向きな話し方が面接では大事ですが、(たぶん人間的には相手を思いやる良い人なのでしょう)謙遜がつい出てしまうのです。しかも、単なる謙遜だと相手に思われるなら問題は無いのでしょうが、明らかに自信が無いような態度や表情となって謙遜してしまうのです。じっくりと時間を取った知り合いとの普段の日常会話の中でならそれも良いでしょうが、面接は初対面の相手に対して短時間で、自分という人材の前向きさを売り込む場です。

営業マンが商材(自社の製品やサービス)を購入してもらおうとする相手と話している時に、商材について謙遜することはありませんよね。謙遜ではなく、もちろん偉そうな言い方でもなく、相手に敬意を持った“謙虚”な態度と言葉遣いでありながらも、商材の良さについては積極的に相手に語らなければいけません。

面接における売り込みたい商材とは、相手の企業にとって役に立つ(戦力となれる)自分という人材の強みを前向きに語る場です。

就職先がまだ決まっていない学生に見られた2つめの傾向は、手当たり次第に受けることによって、“応募の必然性”が弱まってしまっていることです。

例えば、ある学生は「事務職ならどんな会社でもよいので手当たり次第に受けています」と話してくれました。聞くと、、病院、部品メーカー、機械メーカー、自動車メーカー食品メーカー、外食産業、小売業、流通業など、実に様々な業界の企業を次々に受けてきました。

そういう学生は「事務職がしたい」という理由はある程度語れるものの、「なぜこの業界で働きたいのか」がほとんど語れないのです。

社員は何も考えずにルーチンの作業をこなすわけではありません。その企業を強くするための働き方、つまり創意工夫、創造力・企画力などの“コンセプチュアル・スキル”が求められるのであって、その企業の業界の知識や興味は不可欠です。何も考えないでデータ入力作業を繰り返すような「事務職」はありません。

つまり、「パソコンが早く打てます」「簿記の資格を持っています」と語るだけでは、なぜその業界・なぜその企業でなければならないのかという“応募の必然”や、その業界に対する興味ややる気の強さなどは、全く感じさせることができないのです。

病院の事務と機械メーカーの事務と外食産業の事務とは、異なるのです。その業界・その企業に詳しい先輩や顧客が持つ興味・関心が無ければ、その企業を強くすることに貢献する人材にはなれません。

さらに言えば、「事務職」と言っても、大企業の場合なら、経理部なのか人事部なのか、経営戦略部なのか、情報システム部なのか、購買部なのか、法務部なのか、品質保証部なのか、販売促進部なのか、技術開発部なのか、設計部なのか、営業所事務なのか。・・・求められる知識や興味や経験もそれぞれに違うのです。「事務職ならなんでもやります」という言い方は、説得力に乏しいのです。また、中小企業の場合には、これらのすべてを少人数で兼務します。つまり一人当たりの業務内容が多岐に渡ります。

そのため、例えば、若者向けの衣料品を製造販売する企業で、高齢者に対するボランティア活動の話を延々と語っても、聞かされる方は違和感を覚えかねません。高齢者に対するボランティア活動の経験を活かしたいなら、それに相応しい業界があるはずなのです。

ぜひ、業界選びと企業選びをしっかりと行ない、必然性のあるやる気を、自分の経験に照らして具体的に伝えられるようにしましょう。


kenshu
 ミーテイングができるコミュニケーションスキルも大事。
2013年3月6日(水)
能美市買い物弱者支援 活動報告会 大盛況


3月4日(月)、この1年余り活動してきた能美市の買い物弱者に対する支援を発表する報告会を行ないました。


準備しておいた配布物が足りなくなって急きょコピーに走ったり、会場に椅子を追加したり、受付に並ぶ列が長くなったため割愛することにしたり、と始まる前から大盛況でした。ボランティア活動に関心のある市民、山間部に暮らす市民、民生委員、企業の経営者、商店主、町内会長、県議会議員、市議会議員、副市長、市の職員など、予想を超える大勢の皆様に参加していただきました。約100名が参加してくださったのです。

ありがとうございました。大勢の皆様との出会いを、これからの活動の発展に結び付けたいと思います。

shinbunhoudou

 
sungeki

houkokusho
  ◆活動報告書◆ ↑↑
2013年4月6日(土)
メンタルヘルス・カウンセリング


先月まで、社員数200名ほどのある事業所で社員の半数に当たる約100名に対し、メンタルヘルスのカウンセリングを実施しました。

1人当たり20〜60分ほどの個別の時間を取り、遮音性の高いスペースで実施しました。

プライバシーに関わるため詳しく書くことはできませんが、その中で気が付いた点を書きます。

約100名は老若男女、職位も様々でしたが、共通した幾つかの悩みが目立ちました。それは、

 @ワーク・ライフ・バランス
 A男女共同参画
 B社内コミュニケーション

の3点です。

働く1人の人にとって、仕事とプライベートはつながっているため、社員の悩みを「職場内の悩み限定」とするわけにはいきません。

子育てに積極的な男性を表す「育メン」という言葉が使われるようになって久しいですが、男女問わず、また子育てだけでなく家事も含めて、家庭内での男女共同参画は、職場と密接に結びついています。

「子育てや家事によりも仕事を優先させたい」と考える社員がいる反面、「仕事と家庭を両立させたい」「むしろ家庭を優先させたい」と考える社員も少なからずいます。そして、いずれの場合にも、「バランスが取れている」とは言えない状況があり、社員たちは個別に悩んでいるのです。

「ワーク・ライフ・バランス」「男女共同参画」、あるいは「メンタルヘルス」の重要性が説かれ続けているわけですが、いまだそれらの多くは、「啓蒙活動」「意識啓発」の域を出ていません。それらを実現するために、企業においては“社員に共通する課題”として皆で知恵を絞る体制を取ることが必要でしょうし、家庭でも家族の話合いと互いの協力が必要です。

そうした課題を抱え込みながらも、“自分だけの問題”ととらえて、社内で相談することをしない社員の多さが目立つカウンセリングでした。

2013年4月7日(日)
キャリア・コンサルタントの講座

近々、民間資格および国家資格の「キャリア・コンサルタント検定講座」の講師を務めます興味のある人や国家資格受験の該当者がいたら、下記ページ(PC版)を御覧下さい。

民間資格は「標準レベル・キャリア・コンサルタント」を養成するための講座で、4月20日から生講義(富山駅から徒歩5分・土曜日の夜)が始まります。

国家資格は「キャリア・コンサルティング技能士」検定受検に向けた直前対策講座で、WEB講座です。今週大阪で収録してきます。


国家資格(キャリア・コンサルティング技能士)は、こちら

2013年4月14日(日)
国家資格・2級キャリア・コンサルティング技能士の直前対策講座収録

行ってきました、大阪・梅田へ。

LEC東京リーガルマインドからの要請で、このたびWEBとDVDで開講する「国家資格・2級キャリア・コンサルティング技能士」実技検定直前対策講座を収録してきました。

全9時間分に加え、リアル面接試験講座運営スタッフ用として1時間、合計10時間分を、2日間かけて一気に収録しました。


どのような仕上がりになっているか分かりませんが、技能検定の狙い、出題傾向、評価ポイント、未知の問題への対応など、盛りだくさんの内容です。

詳細は、下記を御覧ください。

 ◆LEC直前対策講座

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2013年6月25日(火)
第10回 2級キャリア・コンサルティング技能検定が始まりました <1>


キャリア・コンサルタントの国家資格であるキャリア・コンサルティング技能士の技能検定、今年度前期試験が始まりました。

今回は1級の検定試験は実施されず、2級のみが実施されます。既に23日(日)に実技試験の半分・論述試験が行われ、来月に入ると実技試験の残り半分・面接試験が実施されます。

来月から実施される面接試験は、20分間のロールプレイ(カウンセリング)および10分間の口頭試問ですが、カウンセリングの相談者役の想定が5種類発表されました。そこで、それら5つのケースに取り組むに当たって考慮すべき「相談者を取り巻く環境」について、考察を加えます。

相談者@:吉本美香 21才、大学4年生(心理学科) 相談したいこと:以前から洋服が好きで、現在アパレルショップでアルバイトをしている。バイトをやっているうち、将来は自分でセレクトした服や小物を買い付けて、ショップを経営出来ればと思うようになった。ただ、親からは無謀すぎると強く反対され、将来についてしっかり考えるように言われて相談に来た。

相談者を取り巻く環境:21歳という年齢から考えると、現役で大学に入学した相談者は、これまで職業人として働いた経験がないと言えるでしょう。高校が普通科だったとしたら、ますます充分な職業教育を受ける機会がこれまでに無かった可能性があります。乏しい知識と充分ではない判断材料とでは、現実的な選択ができにくいでしょう。

学生の職業選択はともすると、「その作業が好きか嫌いか」を基準に行われることがありますが、職業で求められるのは、「テクニカル・スキル」「ヒューマン・スキル」「コンセプチュアル・スキル」です。組織人としての役割や経営的な視点もまた職業には求められることが、学生には理解しづらいのです。相談者には、アルバイト・正社員・買い付け担当・経営者や店長の役割の違いや、仕事の内容の違いがどこまで認識できているか確認する必要がありそうです。

ただし、なかには親が自営業者であって幼い頃よりその商売に接してきた学生もいます。その場合は職業に対する理解がやや出来ていることがあります。また、高校時代までの職場体験や大学時代のインターンシップを通してキャリア・プランを持っている学生もいます。

さらに、小売店のアルバイトがどこまでの権限をもって仕事を任されているのか、どこまでの仕事の幅を経験できているのかは、それぞれの小売店によって
異なります。買い付けや売価設定、店舗運営や従業員の採用のための計数管理・法律の知識・マーケティングなどに触れた経験があるのか、あるいはそれらの必要性がどこまで理解できているかを考慮することも必要でしょう。

いずれにしても、以前から洋服が好きだという本人の思いを活かしながらの支援をしたいものです。

相談者A:佐々木誠 52才、印刷会社に勤務し30年目 相談したいこと:6年前から人事総務部長をしている会社で、この2年間で20名の整理解雇をしてきた。職責とはいえ責任を感じ、一時は退職を考えていたが、社長から退職を慰留され、会社に残り今後は会社の再建に力を尽くしたいと思うようになった。とは言え、今後の働き方について考えがまとまらないので相談したい。

6年前、46歳という異例の若さで人事総務部長という重責に就いています(その職務は企業の中で孤独な立場でもあります)。規模が小さく高学歴者が少ない企業ではそのような抜擢人事が行われますが、規模の大きな企業の場合には家族や親戚が創業・経営する企業で、そのような人事が行われます。あるいはそのいずれでもないならば、相談者は若くしてよほどの実績をあげて企業に貢献した実力の持ち主なのかも知れません。または、若くして社内によほど重要な人脈を築いたのかも知れません。相談者のこれまでのキャリア形成の特徴を傾聴する中で、相談者の特性が見えてくるでしょう。

相談者は一時退職するつもりでした。ところが社長からの慰留によって迷いが生じています。会社に残り今後は会社の再建に力を尽くしたいと思う「ようになった」とのことですが、気持ちの切り換えが完全に出来ていないので相談に来たわけです。この場合には、退職か残留かどちらを選んでもリスクというか、乗り越えなければいけないであろう課題があると考えられます。

まず退職の場合ですが、管理職である「人事総務部長」という特殊な職務をそのまま活かして再就職先を見つけることの難しさがあります。経理担当部長であれば取引金融機関との関係が緊密であり、そのルートで再就職先を見つける道もありますが、人事総務部長が民間企業に転職をする際には自力では難しい場合があります。ハローワークよりも、相談者自身の人脈を頼るほか、人材紹介会社を通した転職や、民間企業ではなく公的団体への転職を目指すことのほうが易しいかも知れません。

残留の場合には、「仲間を切った人」という見られ方・しこりが、当然社内の一部には存在することも考えられます。「仲間を切った痛みをばねに自分も会社も生まれ変わる」という明確な姿勢を、社員に対して分かりやすく伝えることが必要かも知れません。どのようにしてそれを社員に伝えていけばよいでしょうか。もし上場企業であれば、株主への説明責任・情報開示も本人は意識しているかも知れません。ただし、人によってはそのようなことを気にせずに権限を行使するタイプの人事総務部長もいるでしょうし、あるいは解雇を行うことへの説明責任をすでに果たしていて社員が納得済みという場合もあるでしょう。


相談者本人の価値観やこれまでの経緯を尊重しながらも、相談者にとっての「キャリア形成」「仕事に対する意欲の向上」に結びつく支援をしたいものです。

また、人事部と総務部が一体となった「人事総務部」は、一般的には中堅の企業に多いと言えます。つまり、中小企業の場合、人事・総務・経理が一体となった総務部が存在することが多く、企業の規模が大きくなるほど、それぞれが「経理部」「人事部」として独立し、さらには「法務部」「広報部」「経営企画部」「社会貢献部」などがどんどん分かれていきます。ただし、中には大企業であっても一時的な経営方針によって、「人事総務部(または総務人事部とも呼ぶ)」を置く場合があります。そして、企業の規模が小さいほど1人あたりが広い範囲の業務を兼務しており、規模が大きいほど狭い範囲の業務を担当しています。それは、キャリアの棚卸しによっても見えてくるでしょう。

職位が高い人の場合には、素直に気持ちを話すのが苦手な方も少なくありません。また、長年の自分の経験から得たものの見かたや物事の進め方にとらわれて苦しむ人も多くいます(その場合、職位に基づく仕事の話をしてもらうのは、ラポール形成にとってマイナスに作用することがあるので注意を要する。管理職としての発言ではない個人としての発言を引き出すこと)。それにも関わらず自らの希望で相談に訪れているということは、何らかの変化を求めているのだと言えます。そして、キャリア・コンサルタントによる専門的なとらえ方に触れたがっています。

いずれにしても、人事総務部長に就任してから2年後には、会社はリーマンショックに見舞われています。大変な努力と知恵で乗り切ったのではないでしょうか。それら成功体験に自信を持ちながら相談者がさらに能力を発揮できることを目指して、支援しましょう。
                                        (続く)

2013年7月1日(月)
第10会 2級キャリア・コンサルティング技能検定が始まりました<2>


相談B高田美紀 47歳、家族:夫(50歳)、実母(74歳)、長女(14歳)。4年制大学(文学部)卒業後、食品メーカーに勤務し25年目。入社以来、工場の庶務や総務業務、営業部の庶務などをしてきた。子どもも大きくなったので、これからは思い切り仕事をしようと思い、昇格試験を受け、昨年10月から経理部で頑張っているが、なかなか思うように成果が出せない。そんな矢先に母が入院してしまった。今後どうしたらよいのか相談したい。

今回の検定では、5つのケースのうちの3つまでが、新卒で入社した企業に長く勤めている中高年齢者です。このケースもそうです。ただし、相談者が女性だという点が他の2つの事例とは異なります。女性の働く環境は、男性に比べて大きな変化に見舞われてきました。

この相談者は入社した当初は庶務でしたが、働き続けるうちに男女雇用機会均等法の改正が相次ぎ、それに伴って、女性の社内における役割や権限が変化してきたと考えられます。ただし、変化の程度は企業によって大きな差があるほか、現代においても管理職に占める女性の比率は決して高くなってはいません。

しかし、入社当初より将来の幹部候補と見なされて段階的に育成されてきた男性社員とは異なり、中高年齢者の女性社員の場合は、若い時にそうした育成をされずに法律の改正に伴って急きょ職務の重責が変化するという経験に遭遇した人もいます。そうした女性社員にはモデルとなる先輩がおらず、自分が時代を切り開くというモチベーションを持つ女性社員がいる反面、ストレスを感じている女性社員もいるようです。

 
相談者C
中野 浩 46 歳、家族:妻(44歳)、長男(18歳)、長女(14歳)。自動車整備士の専門学校卒業後、自動車ディーラーで自動車整備士として勤務し26年目。車をいじるのが好きで自動車整備士になったが、最近、技術の進歩についていけなくなってきていること、年齢のせいか細かい作業がしづらくなったり、体力の低下を感じていることなどから、このまま自動車整備士として仕事を続けていけるのか不安である。今後どうしていけばよいのか相談したい。

自動車整備の現場は自動車整備士のみで業務が行われるわけではなく、無資格の「整備工」と呼ばれる作業者もまた、自動車整備士の指導のもとで自動車整備の業務を担っています。

自動車整備士は、1951年に制定された技能検定に合格することで取得できる国家資格です。2006年に1級の技能検定が初めて実施されるまでは、自動車整備士は2級取得者が半世紀以上にわたって自動車整備の専門家としての中心的な立場でした。このことから、新たに導入された1級整備士を取得する必要性についてまだ充分な認識が得られず、ベテランの2級整備士には1級取得に消極的な姿勢も見られるとも言われています。ちなみに1級は「整備技術コンサルタント」と位置づけられ、高度な整備技術力を有するアドバイザーとしての能力が認められるものです。

つまりこの相談者は、3級か2級かは分かりませんが、技能検定という国家資格を取得して長年働いてきた専門家であることは間違いありません。整備工を指導してきた人材だという可能性もあります。ただし、1級整備士という新たな制度の導入に対して、46歳である今からそれを目指すかどうか、これから進むべき道について大いに迷っている可能性があるとも考えられます。

また、「体力の低下」という表現になっていますが、46歳といえば一般的にそれほど加齢が進む年齢ではありません。しかし個人差があって、人によっては何らかの持病を抱えていることもあります。または、健康診断で何らかの異変が見つかる可能性もあります。提示されたケースの短いメモだけでは情報が充分とは言えません。あるいは、メモには書かれていませんが、職場内の人間関係や家庭での問題など、気になることが他にもあるかも知れません。ロープレの中でそれらが語られることもありますが、その場合はもちろん、それを受け止めて対応をする必要があります。

さらに考えられるのは、価値観の変化によって「キャリア転換」(トランジション)を意識し始めたのかも知れません。


相談者D:吉沢 由香 34歳、家族:長男(3歳)、実母(65歳)。4年制大学(社会学部)卒業後、製菓メーカーに8年勤務し、結婚退職後は専業主婦。離婚後、私立大学の事務部門で非常勤職員として勤務し、2年目。現在の仕事はあと半年で契約が切れるので、次の仕事を探している。今後の生活のためには、残業があっても収入の多い正社員を目指すべきか、それとも子どもと接する時間が多く取れる非正規の仕事を探すべきか、再就職にあたってどう仕事を探せばよいのか迷っているので相談したい。

計算上ですが相談者は、2001年より2009年まで製菓メーカーに勤務し、30歳で結婚退職。そして翌年、31歳で長男が生まれ、32歳か33歳で離婚という目まぐるしい人生を歩んでいます。そして現在、幼い長男を育てながらも、この先の人生をしっかり考えようとしています。

パターン化された支援はもちろん不可能であり、相談者の置かれた環境や気持ちについて理解するために、聴いておかなければいけないことがたくさんありそうです。

ちなみに離婚した父親から受け取る養育費は、子ども1人につき月額24万円が多いようです。ただし、厚生労働省の調べでは、離婚した父親からの養育費の受給状況は、2006年時点で19.0%に過ぎません。

ただ、ケースのメモによると、相談者は「今後の生活のためには、残業があっても収入の多い正社員を目指すべきか、それとも子どもと接する時間が多く取れる非正規の仕事を探すべきか」という点で迷っており、現在の経済状況や子育ての負担についてはまだ何も語っていません。当日の面談において、相談者がその観点から語り始めたとしても、今後の働き方・生き方を決める上で、面談のどこかの時点で養育費のことを確認しておく必要があるかも知れません。

また母子世帯の母親の帰宅時間は、厚生労働省の調査で、臨時・パートは午後6時以前が54.6%と最も多く、常用雇用者の場合には午後6時〜8時が51.2%と最も多くなっています(平成18年度全国母子世帯等調査結果報告)。

2013年7月6日(土)
買い物弱者支援で連携先が拡大


昨年2月、能美市内の買い物弱者を支援する目的で立ち上がった「まちづくり研究会」は、1年目に能美市社会福祉協議会と連携して市内の買い物弱者を探すことから始めました。そして、鍋谷町や緑が丘に高齢者が多く住み、普段の買い物に不自由していることが分かりました。そうした町の高齢者に聞き取り調査を行ったり地域福祉委員会と打ち合わせを行ったりしながら、移動販売車を使って生鮮食品や惣菜、雑貨などの販売を開始しました。

2年目の今年、まちづくり研究会は「連携先の拡大」を目指しています。

そしてこれまでに、地元の大学である北陸先端科学技術大学院大学の白肌研究室や、市地域振興課との連携が実現しました。市民団体、大学、行政が、それぞれ持つ強みを活かしながら「協働」し、能美市の買い物弱者を支援していく体制ができたのです。

白肌研究室は、まちづくり研究会の活動に同行して現地で交わされる会話を分析する役割を担います。他方、行政は能美市全体を捉える視点から、補助金による支援のほか買い物弱者支援を担う他の団体との連携や問題の共有化の場を設ける役割を市が担うことを打ち出してくれています。
もちろん、社会福祉協議会との連携は引き続き維持しながら、高齢者や地域に関する情報を共有していくつもりです。

また、まちづくり研究会は今後、会則をつくり任意団体として組織を整えていくことになりました。


houkokukai
連携先拡大のきっかけになった3月4日の報告会
2013年7月7日(日)
買い物弱者支援で地元産品の買い取りを開始


買い物弱者支援を担う「まちづくり研究会」で、「本当は買い物『弱者』という言い方はふさわしくないのかも知れない。本人たちはそう呼ばれることを望んでいないかも知れない」という話が出たことがありました。

市内で高齢化が進んだ町内は高齢者の割合が4割を超えているのですが、そうした高齢者はその地域の活性化を担う住民であることには間違いがありません。そうした人たちを「弱者」とか「支援を受ける人たち」という見方で捉えるのは違うのではないか、という思いがあるのです。

今年、まちづくり研究会では、そうした地域で日用品を販売するだけではなく、地域の特産品があれば「買い取らせてください。別の地域で売ります」という取り組みを始めました。農産物は言われてすぐに収穫はできないので、これまでに買い取った実績はまだ2件に過ぎませんが、この取り組みを続けていこうと思っています。

市内の各町には、高齢者の交流の場である「いきいきサロン」という組織があります。それはお互いの安否確認や生きがいづくりや健康づくりなどの役割も担っています。今後まちづくり研究会が移動販売に入る地域では、徐々に「いきいきサロン」を中心にその地域の特産品の開発をしていただきたいと考えています。複数の地域を回れる移動販売車だからこと、それぞれの地域で買い取ったものを別の地域で販売するという活動ができると思うのです。

そうした研究会の活動に対して、鍋谷町出身の市の職員からこのような感想をもらいました。「鍋谷は高齢化の進展とともに、稲作を農業法人に委託することが普及し、農作業をしなくなっている。農業をしないならば鍋谷に住む理由はなく、町外への転出が起きるのではないかと心配していた。買い取り制度は、もう一度住民が土地とつながる機会になると思う」。



2013年7月8日(月)
公務員試験の面接に向けて


公務員試験(地方上級・国家一般=大卒レベル)の1次試験である筆記試験が次々に終わり、いよいよ2次試験の面接への準備を始める時期ですね。

面接で面接官に最も伝えるべきは、その仕事に対する「熱意」です。公務員を受ける場合でも民間を受ける場合でも同じことが言えますが、応募先に対する評論に終始しても本人の熱意は伝わりません。また、これからの仕事に対する「抱負」だけでも、やはり説得力はありません。

面接で熱意を伝えるには、本人の「過去の経験」から獲得した「現在の強み・価値観」、それを「今後(未来)どのように活かすのかという抱負」を具体的に語ることです。具体的にというのは、話を聴いている面接官の頭に「映像が浮かぶ」ように話すことです。「あらゆる」とか「様々な」などの抽象的な言い方ではなく、エピソードを生き生きと語りましょう。

そして、志望動機においても、自己PRにおいても、さらに、「最近気になるニュース」や「性格」などの他の質問においても、自分の話の「核」(キーワード)を意識することが大切です。また、できればそうした「核」(キーワード)は2度3度と繰り返して述べなければ、伝わりにくいのです。

面接試験に向けて、いくつかのケース(フィクションです)を想定して、面接で伝えるべきポイントの事例を書きます。



◆ケース1 理系の大学院修士修了 専門である造園の知識を活かした職員をめざす

・県庁所在地の都市:私は大学院で緑を科学的に研究しました。例えば、“緑が多い”という言い方がありますが、それを数値化するとどういうことなのか、“緑がきれい”というのは数値化するとどうなのか」という研究です。私は、都市における緑と建物と人との関係を科学的に捉えられることが強みです。ところで、全国には“緑あふれる”とか“杜の都”という表現で語られる都市がありますが、私は当市の緑を全国にも世界にも類例がない配置のしかたをしたいと思っています。当市はコンパクトな都市であり、歩いて回れる範囲に観光地が集中しています。そこで、観光地と観光地を緑の道でつなぎたいのです。そうすることで、観光客も市民も、楽しく歩きながら森林浴をするようにリラックスでき、これまで気がつかなかったような沿道の面白い店や空間にも注目してもらいたいのです。そのように、私は当市を、「歩くのが楽しい都市」として発展させたいと考えています。

・国立大学法人:少子化の日本における大学は、大学間競争の真っ只中にあると同時にグローバル化を強めています。当大学が発展し続けるために、私は独自のランドマークとランドスケープが必要だと考えています。例えば東大の赤門や京大の時計台はランドマークであり、北京大学の構内には大きな池や塔を含む中国庭園があります。世界的に有名な大学を目指すには、観光客が訪れたくなるようなその都市、その国のシンボルとしてのキャンパスの整備が必要だと私は思います。私は大学時代に造園を専攻し、緑と建物の関係やまちづくりを研究しました。また部活動は美術部でした。こうした私の経験と強みを活かして、当大学を世界的に有名にしたいという思いで志望いたしました。

・伝えたい人柄:「協調性」「細かい作業を集中して長時間行うことが好き」「まじめさ」


◆ケース2 旅行会社で経験を積んだ 県庁職員として観光行政に携わりたい

・前職の旅行会社では、旅行を企画して募集を掛け、添乗まで行いました。完全歩合制だったため、私は自分の人柄を売り込む営業に力を入れました。各地の町内会のイベントなどに出かけて、自分自身と旅行をPRしました。私の営業スタイルは「相手を楽しませる・笑いを提供する」ということでした。それは添乗中も同様で、ともすれば退屈な移動中のバスの中でも、ヨン様や氷川きよしや、せんとくんに扮してお客様を楽しませました。また、笑わせるためだけではなく飴を手渡ししたい時には、強引にサイン会や握手会をすることもありました。100パーセントではなく1000パーセントの取り組みをしなければ人の心は掴めないと私は思います。前職では、たくさんの県民の皆さんを県外にお連れしてきましたが、県外に当県のことがあまり知られていないことに寂しさを感じていました。これからは逆に、県外の方たちに「強烈なインパクト」を与えながら、当県を宣伝し来県していただけるように、私は「当県一の営業マン・名物職員」になりたいのです。旅行会社時代に出会ったお客様の多くとは今も連絡を取り合っています。県の観光行政を担うために旅行会社を辞めることをお知らせすると、ありがたいことに激励していただきました。私は県民の皆様の期待に応えるためにも、当県を全国的に売り込んで多くの県外からの観光客を呼び込み、当県の交流人口の増大を図りたいと思います。

伝えたい人柄:「体力」「仕事に活かす読書とノート」「人を笑わせ楽しませるのが好き」「人が恥ずかしがるようなことでも出来る」「県庁職員がやるからこその、インパクトの大きさを狙いたい」「笑顔」「職歴」


◆ケース3 前職は食品スーパーの総合職 食を活かしたまちづくりがしたい

・地元の市:スーパーマーケットは地域の皆さんの生活を支えるインフラの役割を担っていますが、ぎりぎりの利益を維持しながら店舗を続けていくための工夫を日々行うのが仕事でした。本社から送られてくる全店舗分まとめたデータを、そのまま掲示してもパートさんなどには理解ができません。そこで、私は自店分のみを拾い出し、表やグラフに加工して、全員に分かりやすくすることが得意でした。また、コストを5%削減するために、過去の仕入れのデータを細かく拾い出して分析したこともあります。私は、そのような細かい仕事が得意です。そうした仕事を辞めて市の職員を目指すようになったのは、スーパーの仕事は食材を供給することですが、観光に力を入れる当市の取り組みも同じように食材のPRになっているのがもったいないと感じたからです。地元市民に対しては食材のPRでよいでしょうが、観光客には食材ではなく地元の名物料理をPRすべきだと思うのです。実は、友人が遊びにきても何を食べてもらうか悩みます。名物料理と言えるものがないからです。観光客の誘致にとってそれはマイナスだと思います。地元の優れた食材を使った料理を生み出すこと、私は観光やまちづくりと料理を結び付けたくて、市の職員を志望しております。前職で発揮した持ち前の「計画力と実行力」を活かして、当市の観光客を着実に増やしていきたいです。

・隣県の市:スーパーの仕事は食材を供給することですが、観光に力を入れる当市の取り組みも同じように食材のPRになっているのがもったいないと感じたからです。地元市民に対しては食材のPRでよいでしょうが、観光客には食材ではなく地元の名物料理をPRすべきだと思うのです。当市は海の幸と山の幸が有名です。でも、もったいないと思うのは、名物料理と言えるものが弱いことです。観光客の誘致にとってそれはマイナスだと思います。地元の優れた食材を使った料理を生み出すこと、私は観光やまちづくりと料理を結び付けたくて、市の職員を志望しております。前職で発揮した持ち前の「計画力と実行力」を活かして、当市の観光客を着実に増やしていきたいです。また、当市は県内では有名ですが、残念ながら私の住む隣県とは幹線道路1本でつながっているにも関わらず、ほとんど知られていません。私は、地元の人々の興味を引くやり方で当市を宣伝することで、県外からの誘客を図ることができます。

・伝えたい人柄:「計画力と実行力」「QC(品質管理)活動」「細かい仕事やデータ収集と分析や加工が得意」「分かりやすい見せ方ができる」「縁の下の力持ち」


◆ケース4 前職は福祉施設向けのシステム開発 県庁職員として高齢者の暮らしを守りたい

・前職は約50の福祉施設に対して、介護保険に関するシステムを開発し、使い方を教える仕事でした。当初は介護保険にも高齢者にも関心はありませんでしたが、仕事を通して福祉施設を訪れ利用者の姿を目にするうちに、私の中の価値観が変わりました。「直接人の役に立つ仕事がしたい。高齢者の役に立つ仕事がしたい」と思うようになりました。震災の被災者のニーズに合わせてとボランティアを配置するボランティア・コーディネーターを務めているのもそのためです。異なる立場同士を結びつけることが私の強みです。県内でも高齢化が進み、「介護保険」「健康づくり」「限界集落」「情報弱者」「買い物弱者」「高齢者の移動をサポートする街中の分かりやすいサイン」「バリアフリー」など、高齢者を対象とした県の政策は多岐に渡ります。私は、前職の福祉施設に関する仕事やシステム開発の経験、ボランティア・コーディネーターの経験を活かし、県職員として、県内の高齢者の暮らしを守る仕事がしたくて志望しました。

・伝えたい人柄:「人当たりの良さ」「体力」「社会性」「自分が身を置く環境から学んで自分を成長させた経験」「ハキハキした通る声」


◆ケース5 学生時代の豊富な経験を活かし、人と人との交流や生き甲斐づくりがしたい

・市役所:私は学生時代、部活動、ボランティア、アルバイトなどで多くの人と出会い、影響を受けてきました。大学は人里離れた場所にありましたが、部活動は茶道に取り組み、社会人とともに市が主催するお茶会に準備段階から参加しました。ボランティアは高齢者に対する傾聴をするものと、震災で被害を受けた地元に伝わる資料のデジタル化とに関わりました。アルバイトは学童保育で子どもたちと自然の中で昔ながらの遊びを体験しました。人との出会いは私の人生を豊かなものにしてくれています。今日、人々のストレスが増大し、自殺者も高止まりした状態です。私は市の職員として、「生涯学習」を担当し、分野を超えた人々の交流の場を提供したいのです。私は、学生時代に敷居が高いと思われていた茶道の敷居を低くし、多くの学生に茶道を体験する場を与える工夫をしました。これからは市の職員として、茶道と炭焼きや英会話の交流など、異なる分野の人々を結びつけ、市民の暮らしに潤いを与え、当市を全国一の住みよい市にしていきたいです。

・国立大学法人:私は学生時代、部活動、ボランティア、アルバイトなどで多くの人と出会い、影響を受けてきました。大学は人里離れた場所にありましたが、部活動は茶道に取り組み、社会人とともに市が主催するお茶会に準備段階から参加しました。ボランティアは高齢者に対する傾聴をするものと、震災で被害を受けた地元に伝わる資料のデジタル化とに関わりました。アルバイトは学童保育で子どもたちと自然の中で昔ながらの遊びを体験しました。人との出会いは私の人生を豊かなものにしてくれています。こうした経験から、私は学生が大学の中だけしか知らないのはもったいないと思うのです。当大学を「広く地域に開かれた大学」にし、学生と地元の社会人が触れ合う機会を多くしたいと思います。具体的には、「図書館の24時間化」や、学生と社会人が一緒に資格取得のための講座を受けるなど、大学を学びの拠点にしたいと思います。大学間競争が激しくなる中、私はそうすることが大学の大きな特徴になるよう、こうした取り組みを徹底的にやってみたいのです。

・伝えたい人柄:「人との交流に積極的」「人々のワークライフバランス実現にこだわりたい」「傾聴ボランティアの経験から人の話をじっくり傾聴することが得意。聴き上手である」



某所での集団討論練習
2013年9月10日(火)
初級公務員講座を終えて


今年の夏は異常気象だったそうで、とても暑い夏でした。

そんな中、私が毎週土曜日に仕事に行っていた某資格予備校では、夏休み返上で真剣に公務員採用試験の勉強を続けた高校生たちがいました。

私が担当したのは、警察官と消防士を目指す高校生たち12名の面接対策ですが、なりたい自分が明確で、その自分になるために全力で取り組む彼らの姿は感動的でした。

自分が高校生の頃は進学が漠然と目標でしたが、自分の姿や目指す目標を彼らほど明確に自覚していませんでした。人間、なりたい自分という目標が明確だと、こうもパワフルになれるのかと、高校生から学んだ夏でした。

自己分析をし、自分がなぜ警察官や消防士になりたいのか、なって何を成し遂げたいのかを明確にし、面接カードを書く練習をし、そして個別面接練習を繰り返しました。

曜日ごとに会う彼らがどんどん成長する様子を見るのは嬉しい限りでした。通う高校はそれぞれ違いますが、公共心があって、それぞれに厳しい職業を目指す、輝く若者たちです。これからの活躍を祈ります。


2013年9月23日(月)
キャリア・コンサルティング技能士 対策講座


LEC東京リーガルマインドの依頼を受け、「国家資格2級・キャリア・コンサルティング技能士」受験対策講座(通信)を行っています。学科試験、実技試験の論述と面接ロープレという、3つの試験を網羅する講座です。

内容は下記の通りで、現在、テキストの執筆と収録を同時進行で行っています。

 1.出題分野完全解説講座
 2.出題予想問題演習講座
 3.直前完全予想!パターン別論述対策講義
 4.ズバリ的中!パターン別論述予想演習講座
 5.実技対策講座〜実技試験のポイントと裏技〜
 6.リアル・ロールプレイ〜あなたのロールプレイをiPadで再現!

タイトルはLEC東京リーガルマインドが付けたもので、いささか大げさな感じもありますが、タイトルに負けない内容になるように精魂込めて制作に取り組んでいます。

⇒詳しくは、コチラ

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プロフィール

キャリア・コンサルタント(キャリア・カウンセラー)
コミュニケーション・デザイナー

         毎田雄一

現場からのコラム

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