児童養護施設(親がいないか親と一緒に暮らせない子供たちが生活する施設)の小学生から高校生までの子供たちを引率して、雇用・能力開発機構が設立した「私のしごと館」(京都府精華町)へ行ってきました。
同館へ足を運ぶのは、私にとって3回目です。児童養護施設の子供たちの引率で行くのは2回目です。石川県からは片道約4時間を要しますが、私は行く価値があると思います。金沢市内の中学校で修学旅行コースに組み入れている学校もあります。
実は、同館は、巨額の運営費が掛かることから廃止論議が起きています。でも、私は存続させて欲しいと考えています。
確かに第一印象で、建物の巨大さと豪華さに驚かされます。でも、館内を見学し、体験すれば納得できます。同館は、体験型の仕事ミュージアムなのです。数多くの企業の協力を得て設立され運営されている同館は、「機械工作」「介護」「印刷」など、様々な仕事を体験することができます。機械工作の体験には、企業から技術者が出向いて指導をしてくれます。人形作りや宇宙開発の体験をしたり、ゲーム仕立ての職業適性検査に取り組む子供たちは、とても生き生きして楽しそうです。体験できるメニューの多さは、他ではちょっと真似ができないくらいです。
あらためて、この施設はどんな役割を果たしているのか?と言えば、それは、子供たちに職業教育を施す教育施設なのです。教育や芸術の分野にはお金が掛かります。そうした分野は損益で考えるべきではないと私は思うのです。とりわけ、教育や職業教育に関する予算の支出は、わが国はGDPの割合から見れば少ないと言われていますから、私のしごと館のような貴重な施設の存続を、私は強く望みます。利用者である子供たちの視点に立った議論も必要ではないでしょうか。
ただ、同館の運営費用は、国庫からキャリア教育の予算として計上されるべきで、勤労者の雇用保険は当てにすべきではないと私は考えます。同館は失業者のための施設ではなく、子供たちのための施設としてすでに広く利用されているわけですから。
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